本学と東京医科歯科大学が目指す「コンバージェンス・サイエンス*」、その一部を一足お先に皆様にご紹介するため、本学からは金子 寛彦教授(工学院情報通信系)、東京医科歯科大学からは伊角 彩講師(政策科学分野)に研究内容を講演いただき、異分野融合による新たな研究の発展の可能性を議論いただきます。
眼球運動計測に基づいた心理状態の推定瞳孔は眼に入る光量を調節する機能を持つことがよく知られていますが、対象像に含まれる画像成分によっても変化します。また、心理状態を反映して変化することも知られています。金子研究室では、これらの特性を利用して、人と情報機器のインターフェースや、人の心理状態を推定する手法の開発を進めています。このような瞳孔計測に基づく手法は、眼の画像を取得するだけで可能となり、非接触による簡易な装置により実現できることが特徴です。これらの内容をご紹介します。
メンタルヘルスの評価に関する課題とその解決策公衆衛生分野における親子のメンタルヘルスに関する研究に際して、メンタルヘルス状態の測定はアンケートなど自己申告によるものが多く、正確に把握することは難しいという課題があります。今回の東京工業大学との共同研究では、自ら操作することのできない眼球運動に注目して、メンタルヘルス状態を客観的かつ簡便に計測し将来のメンタルヘルス不調を予測できるアルゴリズムを開発することを目的としています。
講演では、メンタルヘルスの評価に関する課題やそれに対する解決策、本共同研究から期待できる将来の構想についてお話いたします。
パネルディスカッション:「異分野融合が拓く未来のメンタルヘルスとは」モデレータ:科学技術創成研究院フロンティア材料研究所 准教授 CHANG TSO-FU/科学技術創成研究院化学生命科学研究所 准教授 澤田 知久
*コンバージェンス・サイエンスとは、新大学が目指す領域で、異なる学術の融合により、新しい学問領域を生み出すことで未知の課題を発見し、社会課題を解決していくアプローチのこと。